知る人ぞ知る茅ヶ崎の銘酒が2000リットルの生タンクから出てくる店、「水澤商店」の酒の味とは?
ココがキニナル!
「茅ヶ崎駅前(北口)から徒歩2・3分にある「十一屋 水澤酒店」。生貯蔵酒をタンクから注いでもらって飲むことのできるアンティークな居酒屋さんが気になる。REPORTをお願いいたします(ジージーさん)
はまれぽ調査結果!
創業80年の水澤酒店のタンクから注がれる信州の酒蔵直送「生原酒」は、コックをひねった瞬間に最高の香りが!ラベルはご主人の手書き
ライター:万田 ケサトシ
日本の食文化の中で重要なポジションである「日本酒」。かつては「おじさんが呑む」イメージだったが、最近では何度目かの日本酒ブームが訪れているそう。さまざまなイベントが開催され、日本酒女子も登場、さらに海外での人気も非常に高い。
筆者も若いころから日本酒を嗜んできたが、30歳を過ぎたころからようやく美味しいと思えるようになった。旅先で呑むその土地の地酒なんて最高ですよね~♪
日本酒堪能中写真
さて、調査依頼のあった酒屋さんでどんな日本酒と出会えるのか。茅ヶ崎の街に行って参りました。
茅ヶ崎駅北口の老舗酒屋
駅メロもサザンオースターズのJR茅ヶ崎駅北口を出て
商店街「エメロード」を歩くこと約5分
見えてきました
創業80年以上。老舗の酒屋さん
今回の舞台になる「十一屋(じゅういちや) 水澤酒店」に到着。
この建物は62年前、1953(昭和28)年に建てられたそうだが、お店だけ切り取ってみると時代劇のワンシーンに出てきてもおかしくないレトロな佇まい。
「ポスト」の時に取材をさせていただいた。きれいに塗り替えられている
店先のテーブルにお招きいただきました
お話を伺ったのは同店3代目の水澤洋一さん(写真左)。茅ヶ崎生まれ茅ヶ崎育ちの66歳。
旧車に乗り、数年前までサーフィンもしていたダンディなご主人です。本題の日本酒についていろいろ伺おうと思ったら、ご主人のさまざまなエピソードがザクザク出てくる。ではほんのちょっとだけ脱線します。
ノンストップトークに花が咲きます
まずビックリなのは「ケンタッキーフライドチキンを日本で一番最初に買ったんだよ」(本人談)
ホントですか・・・!?
水澤さんが大阪万博でドイツ館のお手伝いをしていたときに差し入れを購入したそう。それがケンタッキーで日本人初のお客さん=水澤さんらしい・・・。
確かに日本KFCホールディングス株式会社のホームページを確認してみると1970(昭和45)年3月に大阪万博にて実験店を出店した旨が掲載されている。
あくまでもご本人談です笑(画像は同社ホームページより)
このほかにもデザイナーとして活動していた時は、誰でも知っているあの有名デザイナーとコンペで戦ったり、某ビールメーカーの缶をデザインしたり、水澤さんがとてもアーティスティックな方であることを伺えた。あと、恋バナや記事にできないお話も♪
それではここからお酒のお話へ。店内を見回すと珍しいお酒がいろいろ。
画家である佐伯俊男さんの痴虫(ちむし)シリーズ
サザンビーチとご主人の愛車が描かれている
かっぱとっくり物語
産地によってネーミングもさまざま
ちょっとエッチなラベル(かなりエッチかも)やご主人がデザインしたラベル、
地元に伝わる伝説をテーマにして地元産の材料を使った焼酎、瓶(かめ)に入った焼酎や泡盛などが店内所狭しと並んでいる。
タンクネーム「おかめ」(2000リットル)
そして投稿にあった店内の巨大なタンク。
杜氏(とうじ)が丹精込めて造る日本酒の旨さをそのまま味わってもらいたいという水澤さんの思いで、蔵元と同じ2000リットルと1700リットルの長期冷蔵熟成保存タンクを約20年前に設置。
ここには信州の酒蔵元から直送される「生原酒」が入っている。
通常だと日本酒は出荷する前に状態を安定させ劣化を防ぐために火入れ(加熱処理)が行われるが、生原酒は火入れを行わないのでフレッシュな爽快感を味わえるのだとか。
タンクネーム「ひょっとこ」(1700リットル)
おかめのお面が付いた2000リットルのタンクには大吟醸、ひょっとこのお面が付いた1700リットルのタンクには純米吟醸が貯蔵されている。
タンク内はマイナス1度に保たれ、茅ヶ崎の酒屋さんにいながら、いつでも「生原酒」を味わうことができる。
試飲もOKということで、オーダーする方が多いという大吟醸を早速いただくことに。
ごっ・・・ご主人・・・
ご主人が大吟醸のタンク(おかめの方)のコックをひねるや否や、ものすごくイイ香りが! なんだかドキドキしてきました。
思わずうっとり
ん~! これは旨い。香りを感じたときの期待通りで、口に含んだ時の第一印象が抜群。
フルーティーな感じが全面に出ていてとても繊細な味わい。呑みやすくもあるので日本酒ビギナーの方にも自信を持ってオススメできます。