横浜のビブレ前にある南幸橋! 歩道部分が「フワッフワ」な理由は?
ココがキニナル!
JR横浜駅の西、すぐにある南幸橋の歩道。あのフニャフニャ感。何故に橋の部分だけ?キニナル。しかもこの橋だけみたいですが…。(ヒザたっくんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「歩きやすさ」を追求した結果、クッション性の良いゴムチップウレタン舗装が採用され、南幸橋以外にもさまざまな橋や遊歩道などに採用されている
ライター:細野 誠治
	フワッフワする! この橋、フワッフワする!
	
	キニナル投稿を読んで、すぐにピントきました!
	
	横浜駅西口、ビブレの前の橋ですよね。赤いラバーを敷いたような路面。初めて歩いたときには「地震か!?」とビビったりしたわけですが、細野的には大好きです、あの感触。(陸上部出身者としてはトラックに敷かれたラバーに近いような・・・)
	
	自分もキニナっていました! どうしてあの場所だけフワッフワなんでしょう? 素直に知りたい、そんなキニナル。ワクワクしてきました!
	
	 
	
	横浜駅相鉄口、ジョイナスを背にして真っすぐ
	 
	
	こちらが問題のフニャフニャのフワッフワ橋
	 
	
	正しくは「みなみさいわいはし」漢字では「南幸橋」
	 
	
	押して弾力を確認
	 
	指の腹で押すと、かなり固めな印象。それでも弾力は感じられる。観察すると、赤い、細かくカットされたラバー(現時点ではこう呼ぶ)を貼り付けたと言うか、敷いたものだと分かる。ラバーの厚みは3mmくらい(南幸橋の設立は1954<昭和29>年だという)。
	
	ここでこの橋、南幸橋の全景を写真に収めようとお隣の五番街からムービルへと続く幸橋(さいわいはし)に脚を向けると・・・。
	
	 
	
	欄干(らんかん)のモチーフはカモメとヨット。奥が幸橋
	 
	
	橋の下では鯉が泳ぐ。ハマの人面魚さんも確認
	 
	
	で、こちらもラバーが。色はキレイな青
	 
	そういえばコチラも同じでしたね。失念してました。投稿では「この橋だけ」とありましたが、現時点では南幸橋と幸橋の少なくとも2つの橋にラバーが敷かれていると。
	
	 
	
	幸橋から望む南幸橋。常に往来が激しい
	 
	どうしてなんでしょう? 橋を管轄する横浜市道路局に聞いてみよう。
	
	
	
	 舗装のひみつ、いろいろ
	
	 
	
	こちら横浜関内ビルの7階に管轄する橋梁課が入る
	 
	お忙しいなかお話を伺うことができた。
	お答えいただいた3氏。
	
	 
	
	はまれぽ取材歴10回! 高島テクノロジーセンター顧問、松本誠氏
	 
	
	橋梁課長の菊地健次氏(左)と居山拓矢(いやま・たくや)氏
	 
	橋梁課からお2人、そして橋梁課OBの松本氏にお時間をいただいた。
	さっそく質問。どうしてあの橋、南幸橋は“歩くとフニャフニャ”するんでしょう?
	
	「それは歩きやすさを追求した舗装、“ゴムチップウレタン舗装”を施してあるためです」と松本氏。
	 
	
	これがゴムチップウレタンの見本品
	 
	
	カラーバリエーションも豊富
	 
	このゴムチップウレタン舗装、「快適な歩行感」「カラー化が容易」であること、「滑りにくい」そして「水はけが良い」などといったメリットがあるそうだ。それにアスファルトに比べ、熱反射(照り返し)が少ないとも。
	主に遊歩道やジョギングコース、テニスコートや陸上競技施設などに使用されている。
	
	 
	
	パンフレットを見せてもらった
	 
	良いこと尽くめじゃないですか。
	「ただ問題点はポイ捨てされたタバコや、ガムに弱いんです」
	ゴムが熱に弱いのは当たり前、そしてガムなど粘着物は隙間に入ってしまう。
	ポイ捨ては絶対に止めましょう!
	
	 
	
	厚さは10mm。南幸橋の舗装はかなりヘタってる?
	 
	—もっと、このゴムチップウレタン舗装が広がればいいですね。
	これから高齢化社会になるし、脚の負担を軽減できる舗装が普及してほしい。
	・・・すると「コストが若干、上がってしまうんです」と菊池氏。
	
	—どれくらいでしょう?
	「“ゴムチップ”が1平方メートルあたり1万円、普通のアスファルトが1平方メートル2000円前後ですので約5倍の差があります」
	(南幸橋に敷かれた“ゴムチップウレタン舗装”では諸経費などを含め、約1000万円の費用が費やされているそうだ)
	
	5倍! かなり高いんですね・・・。それにゴムだと、アスファルトに比べて劣化が早いような・・・。
	「いえ。アスファルトもゴムチップウレタンも、耐久年数は約10年ですから変わらないんです」
	
	—耐久年数が同じとは! 見た目以上にタフなんだ・・・。
	
	 
	
	お三方とも熱心にお答えして下さった
	 
	「南幸橋にゴムチップ舗装を施したのが2007(平成19)年ですので7年が経過していますね」
	(この年に橋の拡幅を行い、歩道部分ができた。その舗装にゴムチップウレタン舗装が採用されたのだった)
	
	—結構、劣化しているような・・・。
	「人の往来が激しい場所ですから、平均年数を割ってるんですね」と松本氏。
	「つまづくと危険ですので、まずはその部分だけでも補修したいと考えています」と菊池氏。
	
	そうなんだ! 
	施工も簡単だという。ゲル状になったゴムチップを流し、上からコート剤を塗ることで舗装が完成するそうで、工期もアスファルトに比べ格段に早いそうだ。
	
	歩行者に優しい舗装。唯一の問題はコスト高。利用状況や予算に鑑み、現状では歩道を中心に施工を行っている。
	
	 
	
	南幸橋、早く補修されるといいですね
	 
	新しく張り替えられたら今より一層、フワッフワになりそうな予感!
	
	ちなみに“フニャフニャ感”があるのは、橋というものが「揺れるように」設計されているためだそうだ。南幸橋は、周りや歩行者が踏みしめる振動で揺れるため一層“フニャフニャ”している印象を受けるのだとか。
	
	 
	
	拡幅前の南幸橋。約20年ほど前の写真
	 
	
	南幸橋の歩道部分は、後から付け足されたもの。拡幅は2007(平成19)年だ
	 
	ではそろそろ最後の質問を・・・。
	—この舗装は、ここ南幸橋だけなんでしょうか?
	「いえいえ、たくさんありますよ」
	
	—えっ!? そうなんですか?
	「主に歩道橋や人道橋(道路橋や鉄道橋などに対していう歩行者が渡る橋)に採用されてますから」
	知らなかった〜。
	
	そう言えば隣の幸橋も・・・と水を向けると「あそこは相鉄アーバンクリエイツさんの管理ですので・・・」
	あっ、そうなんだ。
	
	
	南幸橋以外のゴムウレタンチップ舗装を探せ!! キニナル続きは次ページ!≫
	 




