深夜に響く怒号

9月12日（木）深夜、中華街は騒然とした空気に包まれた。メーンストリートである「中華大通り」のJR石川町駅から徒歩約5分、「善隣門」付近にある美容室内で事件は起こった。

救急車を呼んで！

響く怒号。加賀町警察署が至近にある立地もあってか、すぐに大勢の警察官が現場に駆けつけたという。

事件があったのは12日午後10時13分ごろ。中区山下町の美容室内で、男が知人男性に重傷を負わせたとして、その場で逮捕された。
　

現場の美容室はビルの2階

　
逮捕されたのは、区内に住む木原文康（ふみやす）容疑者（34）。県警の調べによると、木原容疑者は自身が経営する美容室内で知人男性の腹をハサミのようなもので複数回刺した疑い。刺された男性は命に別状はないという。
　

事件から一夜明けた現場
　　

店には誰もおらず自転車と“CLOSE”の看板のみ

県警は木原容疑者が被害者の腹部を刺していることから、殺意を認め、殺人未遂容疑で調べを進めている。調べに対し、木原容疑者は、刺したことは認めているものの、殺意については否認しているという。
　
　
　

「温厚な人」の凶行に近所も困惑

逮捕された木原容疑者はどのような人物だったのか？

近隣の方に話を聞くと、おおよそ「挨拶をよくしてくれて礼儀正しい人」「温厚な人」という評判。
10年ほど前に「華爵（かしゃく）美容室」をオープンし、目立ったトラブルなどはなかったという。
　

事件は営業時間内に起きた

出前の料理を受け取る時や近所でたばこを買う時も、店員に気さくに声をかけていたとのこと。
一部報道によると、金銭トラブルなども指摘されており、今後、動機について厳しい追及がなされる。

50年以上中華街に住み、木原容疑者を知る人は「小さなお子さんがいるのに・・・」と声を詰まらせながらも、「近所でこういうことがあったのは記憶にない」と不安な表情を見せた。
　

中華街の玄関口の一つ「善隣門」と目の鼻の先

　
　
　

取材を終えて

　
今回は容疑者のスピード逮捕で幕を閉じたが、繁華街、しかも横浜を代表する観光地のど真ん中でこのような凶行が行われるとは、不安が募る。
　
本人が殺意を否認している以上、突発的な犯行だったのかもしれない。動機は本人の供述次第だが、一刻も早い真相究明が待たれる。


―終わり―