横浜市営地下鉄での傘の忘れ物はどのくらいあるの!?
ココがキニナル!
梅雨の時期だと、電車の中に傘の忘れ物が結構ありますよね? そこで、横浜市内を走る電車で、傘の忘れ物は1日当たりどれ位になるのかを調査お願いします(彩雲さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市営地下鉄内で傘の忘れ物の年間の平均は1日約25本、梅雨の時期には約50本ほどになる!
ライター:はまれぽ編集部
雨と言えば傘、傘と言えば忘れる・・・連想ゲームをしてみた。
誰しも少なからず一度は傘を会社やレストラン、そしてバスや電車などに忘れたことがあるはず。
筆者自身も幾度となく傘をお店や、電車などに忘れたことがある。傘を手すりに掛け、うとうと居眠り。自分の駅にたどり着き、慌てて電車を飛び出る。そんなときはもう、すでに傘の存在を忘れている。なんか忘れている気がするけどなんだっけ? という具合だ。
傘ってどうしてこんなに、忘れられてしまう存在なのだろうか。
そんな傘の運命に思いを馳せながら、横浜市内を走る各鉄道会社に問い合わせてみたものの、お話を聞かせていただくことができず、あきらめかけていたとき・・・
のこり最後の1社、というところで横浜市営地下鉄さんにお話を伺えることになった。
うれしい気持ちを抑えられず、足早にご協力いただけることになった横浜市交通局へ向う。
ちなみに取材当日は晴天。傘いらず
今回対応していただいたのは、「横浜市交通局 課長補佐 高速鉄道本部営業課駅務係長」の中丸さん。横浜市営地下鉄全体の忘れ物の数や種類を伺った。
横浜市交通局 課長補佐 高速鉄道本部営業課駅務係長の中丸さん
傘と、忘れ物たちの数と、今後の行方
まず、ブルーラインとグリーンラインでの平成24年度の傘の忘れ物は、1434件(平成24年4月1日~平成25年2月28日集計結果)。11ヶ月間の平均だと月約130本だ。
雨が多い月、いわゆる梅雨の時期である6、7月の傘の忘れ物数は合計362本。11ヶ月間の月平均の2ヶ月分よりも梅雨の時期の2ヶ月分のほうが約120本多く、1.5倍ということになる。
梅雨の時期に忘れられた傘の数を1日平均にすると約5~6本ということは、なんだ、意外に少ないなと思っていると、「雨が多い時期だと、私たちが把握している限りでは、1日25本の傘の忘れ物があります」と中丸さん。
「全ての駅のパソコン端末で忘れ物を管理しているので、入力する前に、お客様が取りに来られたりした場合、それは数には含まれないんです」。なるほど。ということは、実際の傘の忘れ物の件数は分からない!?
と、がっかりしていると「湘南台駅に、忘れ物が保管されているところがあるので、行ってみるといいですよ。終着駅だからたくさんあると思います」と紹介してくださることに。
その前に、せっかくなので、筆者の好奇心から、忘れ物の全体の事情についても中丸さんにお伺いすることに。
年間(平成24年4月1日~平成25年2月28日集計結果)の全ての忘れ物件数は8642件。そのうち取りに来られたのが7605件。取りに来る人が意外と多いことに驚いた。
ここで突然だが、どんな忘れ物が多いのかランキングトップ5をご紹介。
第5位:本(79件) ※写真はイメージです
新聞や雑誌、週刊誌などで袋に入っていないものは廃棄扱いとなる。
第4位:財布(212件) ※写真はイメージです
財布は絶対に忘れたくないものだ。
第3位:紙袋、スーパーの袋など(395件) ※写真はイメージです
忘れ物扱いになるのは中に着替えや、商品などが入っているものだそうだ。中に何も入っていなければ廃棄対象となる。
第2位:現金(1361件) ※写真はイメージです
財布とは別に、小銭やお札、そのままの落し物や忘れ物。
そして、第1位は・・・
第1位:傘(1434件) ※写真はイメージです
やはり、傘が1位ということだが、そのほかに変わった忘れ物について聞いてみると、一番驚いたのが、位牌。こちらはさすがにすぐに取りに来られたそうだ。忘れた方は悲しみのあまり、普段とらない行動をとってしまったのだろうと想像する。
あとは、女性用の下着やお弁当など。女性用の下着はプールなどで着替えた物らしく、どうやら袋から落としてしまったらしい。
お弁当に関しては食品なので、その日は冷蔵庫に保存しておき、その後は中身を捨て、お弁当箱を洗って保管しておくこともあるそうだ。
いやあ~、色々なものがあるな~と感心しつつ、これらの忘れ物たちは一体どのようになっていくのかというのがキニナルところだ。
まず、財布やカバンなどは、中身を確認して連絡先がわかるものは当然、連絡をしてご本人やご家族に取りにきてもらう。
そのほか(現金、時計、宝石)は遺失物法により、施設占有者(市営地下鉄)が1週間以内に警察署に届けると定められている。その間、金庫に入れて大切に保管しているそうだ。
その後、警察署が3ヶ月保管して、持ち主が現れなかった場合は、拾得者(拾った方)もしくは市営地下鉄に所有権が移る。
市営地下鉄に所有権が移ったカメラや時計などは、局内のイベントや区民祭りなどで販売している。
電車は今日も忘れ物をのせている・・・?
本物のブランド品だったりしたら、すごく安い買い物になりますねと興奮気味に中丸さんに訪ねると、「でも、偽物かもしれませんよ。ただ、時計は電池を入れ替えていませんので、止まっているものは、買った方に交換していただいています」と微笑みながら答えてくれた。
貴金属類のほか(傘、ハンカチ、本など)は、各駅の忘れ物保管場所で保管されているそうだ。期間は決まっていないが、おおむね1ヶ月~半年程度。
雨の日には、傘の忘れ物注意の呼びかけについて、駅のホームで呼びかけたり、車内でアナウンスを流したりして注意を呼び掛けているそうだ。
それでも、次から次へとやってくる忘れ物や落し物たち。
「私たちにとっては些細な物かもしれませんが、忘れた方、落とされた方にとっては思い入れがあるかもしれないので、丁寧に取り扱うよう駅係員に指導しています」と中丸さんは最後に語ってくださった。
保管する側も、捨てるに捨てられない忘れ物たち。極力少ないに越したことはないが、大事に保管されていると聞くと少しほっとする。