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移転再開した県立川崎図書館の蔵書があまりにマニアック! その理由とは?

移転再開した県立川崎図書館の蔵書があまりにマニアック! その理由とは?

ココがキニナル!

川崎駅近くから溝ノ口に移転した県立川崎図書館が「日曜日休館」に。公共図書館が日曜日に休館とは聞いたことがありません。移転や休館日の変更の理由は?(都筑のふくちゃんさん/ヤマダさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

神奈川県立川崎図書館は、全国でも珍しい「ものづくり」に特化した図書館。移転のタイミングで、技術者などが利用しやすい休館日に変更した

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ライター:はまれぽ編集部

産業・製造業に特化した公立の専門的図書館

「当館は、ものづくりに特化した県立図書館です。利用者も、フリーの職人や会社勤めをしている技術者が中心なんです」と松永さん。
 


ちょっと覗いた本棚の密度がすごい

 
神奈川県立川崎図書館は、60年前の1958(昭和33)年、移転前の川崎市川崎区に開館。当初から、工業や経営関連の専門書を集めた図書館として、川崎地域の産業を支えるべく専門資料の管理や収集を行ってきた。

しかし、60年の年月を経て建物の老朽が進行。同じ場所での再建が難しかったことから、民間施設であるKSPのフロアを借りる形で、移転オープンに漕ぎつけた。
 


現在の図書館入り口には、以前の建物の看板と模型が

 
川崎市といえば、今でも製造業の事業者が集まるものづくりの街。川崎図書館は技術者の学習や支援の場として、その発展を下支えしてきた施設と言える。
一方で、移転前場所では1995(平成7)年に「川崎市立川崎図書館」ができるまで、川崎区の地域図書館としての役割も担っていたという。

「移転に際して、よりものづくりの図書に特化するよう、一般図書は横浜の県立図書館などに移し、蔵書を整理しました」と松永さん。約24万冊を誇る図書は専門書が占めているため、普通の図書館だと思って来館すると面食らってしまう。
 


「入門書コーナー」には漫画もあるが、よく見るとジャンルはやはり産業系
 

子ども向けの本は「もっとも正しい内容を易しく解説している」そうだ

 
新しくなった川崎図書館には、ほかにもセールスポイントがあるという。その一つが、全国でも初めてという「電子ジャーナルコーナー」だ。
 


15台の端末で電子ジャーナルが利用できる

 
こちらで見ることができるのは、民間・公共のデータベースに保存された各国の論文や抄録(しょうろく)資料。
科学・工学の研究を行う際には先行研究の調査や引用が欠かせない。しかし、そうした論文を取り寄せたり人力で探すのは大変な労力が掛かるため、文献がアーカイブされた電子ジャーナルが重宝される。
 


大学の研究室などでは閲覧できるが・・・

 
だが、このデータベースは有料のサービスであるため、個人ではなかなか参照することができない。それが、川崎図書館の利用者は無料で閲覧することが可能なのだ(印刷は1枚10円)。

この電子ジャーナルの導入は審査が厳しく、公共図書館での導入事例は川崎図書館のみ。ほかに参照できるのは「国会図書館ぐらい」とのことだ。

ほかにも、ここには「ものづくり図書館」ならでは機能が。
 


こちらの「知財スポット」では、
 

創業や発明、知的財産に関する相談会を定期的に実施予定

 
60年間収集を続けてきた資料の中では、「社史ライブラリー」が圧巻の貴重さだ。
 


創業30年や50年、70年などの節目に発行する「社史」

 
こちらには書庫も含めて約1万9000冊分、全国の会社の「社史」が集結している。
 


「新聞」の棚には地方も含めた新聞社の社史が集結。もはや入手困難なものも多い

 
社史は記念誌的に発行することが多いため、一般の書店や図書館でお目にかかることはない。わざわざ遠方からこれらの資料を目当てに訪れる利用者もいるそうだ。
 


ターゲットがはっきりしている蔵書たち

 
休館日の変更について松永さんにうかがうと、「図書館の性質上、利用者は仕事の一環で調べものに来る方が多く、平日が中心でした。以前は地域の図書館という役割もあったために月曜休館でしたが、KSPのほかの施設の営業日と合わせて日曜休館とすることになりました」と説明してくださった。

とはいえ、川崎図書館が入居したKSPの周囲にはマンションが林立し、家族連れも多く住んでいるはず。一般の利用者や子どもの利用ももちろん歓迎だ。「川崎図書館でものづくりに触れた子どもが、そうした道に進んでくれたら嬉しいですね」と松永さん。これからも川崎の産業を支える施設であり続けるようだ。



取材を終えて

世の中には「図書館」と名の付く施設は多い。大学図書館をはじめ、民間企業が作ったものや、行政関連の書籍ばかり集めたところ、経済団体が作った専門図書館などもある。だが、誰でも利用できる公共の図書館として、川崎図書館の専門性の高さはほかの追随を許さないように思えた。

移転前にも「普通の図書館」と間違えて来館する利用者がいたそうで、市民にとっても県立川崎図書館の認知度は高くない。もし専門書の森に迷い込む機会があれば、ここだけの本との出会いを探してみるのも楽しいかもしれない。


ー終わりー

 

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  • 去年までは仕事が休みの日曜日によく行っていました。専門的な資料を所蔵している公共図書館は利便性が高く非常に貴重で助かっていたのですが、日曜休館で行かれなくなっていまいました。一般利用者で専門資料の閲覧をしたい私のような人間にとっては残念です。県民のための図書館、ではなくて企業のための図書館になってしまったんですね。

  • 川崎図書館がオープンして初日に行きました。探していた専門書がたくさんあったのですが、休館中ということで待ちわびていました。場所は不便ですが、成果は期待通りで、ホントに助かります。ものづくりに特化、も川崎ですからいいと思います。そういう意味では、会社関係の人が仕事では来ない休日の休館は仕方ないと思います。ありがたいです‼️( ^ω^ )

  • 結婚前に川崎に住んでいた夫から、川崎市立図書館の話は聞いていたので、行きたいと思っていたのですが、こんなにユニークだとは!これは行かねば!

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