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寿町のドヤ街はなぜ形成されたのか?

ココがキニナル!

寿町ってそもそもなんでドヤ街が形成されたんでしょう?(紀州の哲ちゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

1955年米軍の接収が解除され、1957年に職業安定所と寄せ場(日雇労働者に仕事を斡旋する場所)が移転してきてから寿町がドヤ街として発展しました。

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ライター:吉田 忍

寿町の現状

1970年代になると、港湾業界でも近代化が進み始める。港湾荷役そのものがコンテナ化され、荷役労務者自体を必要としなくなったのだ。

その後は主に建設業が日雇労働者の受け皿となるが、バブルの崩壊により、彼ら、日雇労働者は真っ先に切り捨てられ、ドヤ街はその有り様を変貌させていくこととなる。
 


 

寿町総合労働福祉会館周辺にはホームレスの姿も


現在では日雇労働者の需要はほとんどなく、今の寿町は当時の日雇労働者たちの一部が仕事がなくなったままずるずると暮らし続け、そのまま老いているというのが現状である。

また、生活保護を受ける人やひとり暮らしの高齢者が、保証人無しで住める簡易宿泊所を求めて転居してくる例も多くなっている。
 


うどん、そば150円


この地区の6,300人ほどの住民のうち、85%が生活保護受給者。
さらに60歳以上が6割を占めるという高齢者が多い地区。

寿町は日雇い労働者の町から、生活保護者と高齢者の町へと変わってきているのだ。
 


この辺りの自動販売機はほとんどが安い価格設定


また近年、簡易宿泊施設は、外国人バックパッカー向け格安ホテルとしても機能し始めているが、こちらは、機会があれば別に紹介したい。
 


NPOが運営する食堂は定食300円


1923(大正12)年から寿町で酒屋を営んでいる山多屋酒店で興味深いお話を聞いた。
 


併設された立ち飲みカウンターを二重三重の客が囲んだ山多屋酒店


昔の寿町は、普通の下町だった。近くには貿易関係の会社も多く、とても賑わっていたらしい。

山多屋酒店は、米軍による接収時には別の場所で営業していた。
接収解除になって、この場所にも再び酒屋を開いた。

26年前に店を継いだご主人の織茂浩章さんによると、当初の1980年代半ばはすでに寿町の最盛期を過ぎていたが、それでもまだまだ賑やかで忙しかったそう。
 


寿町の変遷を見続けてこられたご主人の織茂浩章さん


年々少しずつ老人の比率が高くなり、客数も減ってきた。最近移り住んできた高齢者はドヤ街に対する知識がない人もいるので、お釣りなどはすぐに仕舞うようにとアドバイスすることもあるという。

とはいえ、昔は相当荒っぽいことも起こったが、今はかなり穏やかな町になってきたとのこと。
 


異様な雰囲気はあるものの、確かに静かで穏やかな町だと感じた




取材を終えて

寿町にドヤ街が生まれたのは日雇労働者が求められた高度成長期、横浜には港湾荷役という需要があり、寿町に職業安定所が移転したという理由があったためだった。

今回、取材で訪れてみて、寿町はいわゆる「ドヤ街」という非日常的な場所ではなく、高齢者のひとり暮らしとそれにともなう孤独や貧困という日本の問題点を抱えた場所だと感じた。

近年の日本における格差の拡大、非正規雇用者の増加、止まらないデフレ、少子化・・・。決して自分たちと無縁の世界ではない。

定食300円の紹介をしたが、考えてみれば普通のスーパーでも298円の弁当が販売されている。そして一泊2,000円は、月6万円の家賃と同じ。

そう考えると寿町は決して特別な場所ではなく、近未来の日本が凝縮された町なのではないだろうか。
 


人通りの少ない静かな町。そこはひっそりと大勢の高齢者が暮らしている



― 終わり―
 

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  • 友達が たくさんいるが 元気に 暮らしていますよ夏は 部屋が 空いています 冬は 満杯です何故か? 夏は 野宿します 冬は 外が 寒いから!寿の 友達を 作って 詳しく レポートしてくださいよ

  • 野毛に簡易宿泊所があった時代は知らなかった。寿町自体というよりその他の要素「日雇い労働者」「産業構造」などを見せたいのか、街自体をさらっと紹介したいのか、視点が定まらない記事に見えた。

  • 寿地区の成り立ちや現状が簡潔にまとめられていて、わかりやすい記事だった。ただ、仕事がなくなったまま「ずるずると」暮らし続け、「普通の」民家・保育園、など、書き手がさらっと(無意識に)書いているように思われ、気になる表現があった。

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