謎の石の謎

「確かね、10年以上前にあのマンションが建った時にあの石もあったのよ」

マンションなので、勝手に侵入はなし。マンション名は確認したので、管理元を探してオーナーさんにお話を聞くということにする。
　

それがそれが

一旦現場を後にして家に帰る。マンション名で検索して、各不動産会社に取材趣旨とともに問い合わせるも物件探しではない限り、管理元なんて教えられません、何も答えられませんとのこと。ある不動産会社は「警察でも教えませんよ！」と、なぜか少し怒っていた。
　

さて

諦めずに、ほかの不動産会社をあたる。すると「さっき、テレビ局の人からも電話がありました。石のことですよね・・・。管理会社に問い合わせください」とのこと。
テレビ局どうのこうのはいいとして、やっと連絡先が分かった。
　

問い合わせてみる

答えからいうと、取材はNG。さっき、テレビ局も断ったばかりとのこと。
取材内容は同じく、石について教えてくださいというもの。NG理由は「住んでいる人のことを第一に考えてるんですよ。なにか話題にでもなって、人がごった返すと迷惑になるでしょう」
ごもっともです。

しばし、少々のお怒りをうける。

それでも「面白がって野次馬をあおるような内容ではなく、横浜のキニナルことを調査していて、それを解決、報告するという内容でして・・・」

世間話や身の上話までも含め、それから約1時間、管理会社兼オーナーの方と話しこむ。
マンション名はあかさない。必ず迷惑な人が出てこないような注意書きも入れること。中に入ってどうこうはしない。それを条件に、石について取材の許可をいただいた。
　

石の実態を伺います

日をあらため、指定された日時に、茶色いマンションを管理している不動産会社へと向かう。
　

こちらでお話を伺います

阪東橋交差点近くにある東栄商事の高山社長（写真NG）が取材に応じてくれた。
2001（平成13）年に完成した茶色いマンション。その前オーナーがアメリカ文化を愛好する方で、山登りが好きなことがきっかけで、マンションの屋上に自身が愛してやまないその山というか、岩の縮小模型を置いたとのこと。大きさは約3メートル強の四方。
　

その山というか岩が

全長約1000メートル、世界一の大きさをほこる一枚岩「エルキャピタン」。ロッククライミングの聖地とも呼ばれる岩。
　

これが「エルキャピタン」（フリー画像より）

今から8年前に、マンションのオーナーが現在の東栄商事に変わり、撤去も考えたがその費用が莫大なため、そのままにしているとのこと。撤去しようと思った理由は「あなた方のようなメディアの人たちが取り上げようとしたりするから（笑）」

なお、夜のライトアップは数年前から行っていないとのこと。

さらに岩のことを伺いたいと思ったところで「うちの専務はもう少し詳しいから、電話つないであげるから直接聞いてみなさい」と高山社長。
　

専務である高山社長の奥様に岩のお話を

岩を作ったのは夢のお国の土木デザイナーの方で、制作費用もすごかったと聞いていたという専務。近隣の方も不思議がっていると耳にはしていたが、伝えるにも伝えようもなく、岩がどういうものか広まると話題になって、住んでいる人の迷惑になるのは危惧していたとのこと。
　

世界一の一枚岩「エルキャピタン」の模型だったキニナル岩

くれぐれも、マンションにお住まいの方の迷惑になるようなことはないようにと、それだけはお願いしますというところで。

取材を終えて